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2015年2月

赤ちゃんや小さい子どもと接していると、時々不思議な感覚を覚えることがあります。同じ場所にいるのに、見えているものが違っているような、何か私たち大人とは違った世界に生きているのではないかと・・・。もっとも発達心理学的には知覚や認知の能力は未発達です。また乳幼児は自己中心性と言って、他の人の立場や感情を理解できない発達段階にいるとも言われています。でも、本当にそうでしょうか。むしろ、はるかに鋭い感性で何かを、私たちには見えないもの、見えにくくなってしまっているものをキャッチしているように思えることがあります。

たとえば「愛」「やさしさ」「思いやり」「信頼」です。大人はこれすらも形にしようとします。手紙を書いたり、時には贈り物であらわしたり。そうした表現ももちろん大切かと思いますが、形に慣れ過ぎて、いつしか形にしないと伝わらなくなっていることも少なくありません。

でも幼い子どもたちは違います。たとえ言葉にすることがなくても、心の中で静かに大切に思う温かさに、目を輝かせ、慕い寄ってくれます。
見えないもの、見えにくくなっているものに今一度思いをはせることができれば・・・、今年はそんな一年にしたいと願っております。

施設長 大日向雅美