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2014年10月

先日、飛騨高山の「わらべうたの会」(よみうり子育て応援団奨励賞受賞団体)をお訪ねしてきました。高山はすっかり初秋の趣きで、会場となった“飛騨の里”は心がほっこりと癒されるような風情に包まれていました。その中の古民家に甚平姿の乳幼児とその親たちが集って、飛騨地方のわらべ歌を楽しむひと時は、昔懐かしい日本の秋の絵そのもの。都心から訪れた私には別天地のようなのどかな里でしたが、子育て真っ最中の母親たちからは、聞き分けのない子にきつく叱りすぎてしまったり、赤ちゃんがえりをしたお兄ちゃんの扱いに頭を悩ませたりしている声が聞かれて、親の悩みはいずこも同じでした。

ただちょっと驚いたのは、参加者としてわらべ歌を楽しむ人は勿論ですが、主催者側もそのほとんどが子連れだったことです。わが子をおんぶしたり、互いに見守りながら、受付や進行、会場設営などをテキパキとこなしていました。代表の岩塚久案子さんも、かつて大きなお腹で、わらべうたの会をスタートさせたそうです。今、10歳に成長したお子さんが「わらべうたの会」の有力な助っ人になっているというほほえましい話も伺えました。

子どもが小さくても、できることをしていくという女性たちのパワーに、飛騨の里の秋の彩りをいっそう深く感じた一日でした。

施設長 大日向雅美