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2014年12月

先日、子育て支援に関するシンポジウムに参加した時のことです。シンポジストのお一人がNPO活動をしている女性でした。ご自身の初めての育児の時に、夜泣きに右往左往したり、赤ちゃんと二人だけで家の中に閉じこもったりせざるを得なかった日々のつらさを経験し、それが母親たちに居場所を提供する今の活動につながったことを語って下さいました。その後に登壇した男性は全国的に注目されているユニークな幼児園を運営している方でした。「僕は子どもが面白くてたまらないんです。子どもの育つ力のすごさに日々感動し、そのすばらしさをもっと発揮させたいと願って、今の活動をしています」と語られました。対照的なお二人の言葉ですが、どちらも子育ての真実だと思いながら、拝聴しました。

苦しいことも楽しいことも両方あっての子育てです。「子育ては楽苦しいもの」を持論としていた私に、元ラグビー日本代表選手の大八木淳史さんが「最後に“美”をつけて、全部音読みにしてみて」と言われました。そうです!「子育ては楽苦美(ラクビ―)」でした。一つのボールを追いかけ守る競技の心は、子育てと同じ。皆で心を一つにして子どもを見守り育む日々はやがて美しい思い出となることを、二人の娘が巣立った今、実感しています。これからもあい・ぽーとが皆様のラクビ―のフィールドになれることを、スタッフと共に願っております。

施設長 大日向雅美