2016年8月
夏真っ盛り。子どもたちが大好きな季節ですね。海に山に、あるいはふるさとのご両親(お子さんにとってはおじい様やおばあ様)のもとを訪れるなど、ご家族でお出かけする機会も多いことでしょう。楽しい思い出がたくさんできることを願っていますが、小さいお子さんを連れた旅行は荷物が多くなったり、子どもがぐずったりで、何かと大変だというお悩みの声もよく聞きます。
遠出をしないでも夏を楽しむ方法はたくさんあることでしょう。私事で恐縮ですが、幼い頃の夏の思い出はきまって入道雲が登場します。抜けるように真っ青な空にむくむくと湧き上がっている真っ白な雲を縁側に腰掛けてぼんやり見るのが大好きでした。もっとも、当時は雲だと思って見ていたのではありません。遠い遠い「雪国」がお空に浮かんでいると信じていたのです。その日によって微妙に形が変わる「雪国」の中に「お城」もしっかり見えていました。どんなお姫様が住んでいるのかしらと想像にふけっている時間がとても楽しかったことを憶えています。「あれは積乱雲なのよ」などと説明をする大人がいなかったことも幸いだったのかも知れません。子どもの頃の思い出は親に与えてもらうだけでなく、そっと見守ってもらうことでも豊かなものとなることを思います。
施設長 大日向雅美