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2016年4月

「保育園落ちた。日本、死ね!」と書かれた匿名ブログが大きな話題となっています。このブログに共感した待機児童問題に悩む親たちの声が大きなうねりとなって、国会も対応に追われています。子育て世代の声が政府や社会を大きく揺さぶったことは画期的な現象です。今回のことが契機となって、若い世代が自分たちの思いを行政府に届けようとする機運が高まってほしいと思います。そのためには声の届け方にも今後は一定の配慮がほしいとも思います。今回は「死ね!」という過激な表現が社会を動かす一因となったことは言うまでもありません。ブログの全文も読んでみましたが、かなり刺激的な口調です。張り裂けんばかりの胸の内が伝わってきます。仮に通常の表現ではここまでの動きは起こらないというのも、残念ながら現実かもしれません。こうした事情は十分に理解しつつ、それでもあえて言えば「死ね!」という言葉は今回限りにしてほしい。子どもの命が大切に育まれることを願って子育て支援に携わっている者の切なる願いです。折しも「3.11」で亡くなったあまたの人々の無念さと大切な人を失った方々の苦悩が今なお生々しいこの2月・3月に、他方で国会を揺さぶり社会を動かしたのが、この言葉であったことにやりきれない思いでいることも正直な気持ちです。子ども・子育て支援新制度が発足して一年になります。待機児童問題をはじめとして課題は山積しています。だからこそ社会の皆で智恵を集め、心を一つにして取り組める言葉が欲しいと願っています。

 

施設長 大日向雅美