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2007年1月

2月の初めに、ベビーカーが1台“行方不明”になりました。日本では入手が難しい機種とのことですが、外観が類似していて、間違えて持ち帰った場合も考えられます。玄関に機種の詳細を掲示しておきましたので、ご確認くださるようお願いいたします。門扉から玄関までは一応敷地内ですが、残念ながらスタッフの目が行き届きません。早速、港区が玄関脇に防犯カメラを設置して下さることになりました。

さて、ベビーカーと言えば、いつも懐かしく想い出すのが、私の子ども時代のことです。もう半世紀以上も昔のことですが、実家にあったのは籐製の大きな手押し車でした。随分と大きくなるまでその乳母車に乗って、姉や友だちと交代で庭中を押して歩いて遊びました。乳母車の中に寝そべって見る青空は格別に素敵でした。

当時の乳母車と比べると、今のベビーカーは格段に進歩して見えます。多機能で、何よりもコンパクトになっています。バリアフリーな街づくりが進められているとは言っても、地下鉄や電車を利用する際にはまだまだ階段の昇降が必要な所が多く、街中は歩道橋もたくさんあります。簡単に折りたためる機能が求められていますが、便利な機能を満載するあまりに、赤ちゃんの座り心地の質は低下せざるを得ないという話も聞きました。大人の都合と赤ちゃんの快適さとのバランスのとり方は難しいものですね。もっとも、これはベビーカーの問題に限りません。大人から見た暮らしの快適さが、赤ちゃんや小さい子どもにとっても心地良いものとなるためには、街づくりをはじめとして、私たちの生活全般を見直す必要があることを考えさせられます。

施設長 大日向雅美